
総合健診推進センターは、これまで長く健診事業行っておりました第一健康相談所を母体とし、
さらに質の高い健診・診療を提供するため、平成27年(2015年)4月、組織改正し発足致しました。
前身の第一健康相談所は、昭和14年〈1939年〉結核予防会の設立に伴い、現在同じ水道橋に開設されました。
結核予防会は設立から75年間、47都道府県の支部と協働して、離島を含め全国津々浦々で結核の集団検診と保健指導、
結核患者の診療を担って参りましたが、第一健康相談所はその司令塔の役割を担い続けてきました。
総合健診推進センターはその事業を引き継ぎ、国内外の結核対策と健診事業を中心に活動を続けて参ります。
結核予防会の基本方針は、
(1)結核対策、(2)結核国際協力に加え、(3)呼吸器疾患対策や(4)生活習慣病対策を4本の柱としております。
この方針に従い、平成18年(2006年)以降は、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患や、
糖尿病などの生活習慣病対策の強化にも力を注いでいます。
総合健診推進センターは、結核患者が減少してきた今日でも、
都内唯一の結核専門外来として診療しております。
本センターを受診した外国出生者の結核診療は、これまでに1000名を超えております。
この多くはアジアの諸国の人々で、アジア諸国ではまだまだ結核が蔓延しており、
本センターもネパールやミャンマー、カンボジア等での国際結核対策に協力しております。
本センターで行ってきた結核対策に用いられた手法、すなわち健康診断を行い、発見された患者には治療を加え、
観察が必要な人については定期的に観察を行うというきめの細かい管理手法は、
今日のわが国の非感染性疾患の早期発見、早期治療のシステムの母胎となっているものです。
これまでに積み重ねられた知見、経験をもとに、肺がんやCOPD等の肺疾患、および最近増加が顕著である
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の健診、診療を行っております。
特に生活習慣病に対しては、食事・運動などを中心にした生活習慣の改善、減量を中心にきめの細かい指導、診療を行っております。
結核予防会には全国各支部とネットワークを形成し、「JATA(結核予防会)健康ネットワーク事業」を
全国共通の統一帳票、統一判定、統一価格でおこなっており、健診、特定健診・特定保健指導を実施しております。
ネットワーク健診の一環として「労働安全衛生法」の改定によるストレス関連事業も実施しております。
一般健診のほかにも、特殊健康診断、人間ドック部門を設け、受診される方に満足度の高い総合健診施設を目指しております。
今後とも、総合健診推進センターは引き続き質の高い健診・診療を推進して参りますので、
是非ご利用賜りますようお願いいたします。
平成27年4月1日 公益財団法人結核予防会 総合健診推進センター 所長 宮崎 滋 |
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昭和14年 | 皇后陛下の御礼旨及び御下賜金をもとに財団法人結核予防会設立 |
昭和15年 | 第一生命の創立者矢野恒太氏の御寄付をもって現在地に第一健康相談所開設 |
昭和22年 | 結核研究所付属相談所として戦後、診療・健診を再開 |
昭和25年 | 戦後肺結核の激増に伴い年間外来受診者20万人を超える。結核の集団健診受診者50万人に達す |
昭和37年 | 循環器科を併設 |
昭和45年 | 消化器科を併設 |
昭和50年 | 水道橋ビル新築落成、第一健康相談所付属総合健診センターとして発足 |
昭和50年 | 都立高校生及び教職員の呼吸器・循環器・消化器・心臓・腎臓健診受託 |
昭和50~59年 | 自動車振興会・船舶振興会の補助助成によって自動化医療機器、コンピュータを含む医用システムを導入 |
昭和52年 | 日本病院会より優良自動化健診施設の指定を受ける 東京都結核管理健診センター及び同公害被害補償健診センターを受託 |
平成7年 | 水道橋ビル3階をドック専用施設に改装 |
平成13年 | 呼吸器科改修 |
平成18年 | 社団法人日本人間ドック学会「人間ドック・健診施設機能評価」の認定施設となる |
平成21年 | 2階、3階改修 |